2011/11/27

アートとは



アートは自分が追求するひとつのものである。
シンボリックなくして成り立たない。
個人的に幾度か自分が見るもの。
普通なら成り立たない矛盾を見る。
出生と死。
慈悲と残酷。
生命と破壊。
この社会で手をつなぎ共存していくことのないもの。
澄みきった水晶のような空気に囲まれるときに生まれる。
アートにたずさわるものは自滅も考えなければいけない。
限界ぎりぎりまで力を出しきらなければならない。
厳しく見ることの中に見つけなければならない。
アートとは夢想ではなく創造だ。
頭で考えただけでは思考の中の遊戯。
醜いものの中に発見することもある。
欠点の中に見つける。
忘れられた中に思い出す。
秘密ごとの創造がいつかすべての人の目に見える。
型を与えられたものを自分の手がつくり出す。
つくり出されたものがみんなの目に見える。
そこにアートがありアートの意味もある。
つくり出すことへ向かう。
つくり出す道を歩きつづける。
その道に引き寄せられる。
秘密の金色のきらめきに引き寄せられる。
ひとつの輝く星に到達する。
アートとはたいていの場合お金にもならない宝を抱えていること。
自暴自棄に何かを吐き出すことによってアートになる。
あわれな馬鹿だ。
幸福なアートなど伝説以外のなにものでもない。
幸福なんて俗物のおしゃべりにすぎない。
陽気なモーツァルトはシャンパンを飲んで虚勢をはっていたが、
その代わりにパンにこと欠いて困っていた。
空腹を抱えてもユーモアのセンスに飛んで何かに熱中する。
アートが意味したものは克服というもの。
人生の道化と死から生き残る。
アートは人間の命より長く持続する。
はかない瞬間の彼方に形象と神聖なものとなる。
静かな王国のようなもの。
アートの王国は滅びることなどないかもしれない。
つくり上げられたアートは王国よりも強く築かれる。
   御供 2000/9/28 11/11/27

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