2011/10/10

初夏の日に



ひと雨ごとに初夏が近づいてくる。
灰色の曇り空の中に見えて来る。
すずめがチュンチュン子育てをする。
一日ごとに太陽の笑いがきらめいている。
ある朝、すっかり灰色に染まり、
木の葉に水滴をたらした。
新緑はしっかりと息づき、
その湿り気はまだなま暖かい。
杉の木の間から突然光が姿をあらわす。
一羽のカラスが大空に舞い上がる。
世界は魔法にかけられ眠りの夢の中へ閉じ込められる。
目を覚ますと私に警告する。
呪文から身を解き放ち、
現実へと立ち帰る。
私は机に向かい、
そっとノートに書く。
朝がまた目覚める。
終わりのない毎日。
もう初夏である。
 御供 2000/5/20

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