2011/08/26

詩の書き方



深夜、それとも早朝、もっと間抜けな昼寝時、
言葉は樹液のように脳細胞へと昇り込む。
僕が根をおろしている天国さながらの地獄から、
藁さえ詰まっていない僕の空っぽの頭は言葉でしか塞げない。
僕は君と同様うつろな人間。
君がどこかで読んだ決まり文句を読み込んで自分で剥製にする。
僕は決まらない一行をふらつく梯子の上で書いている。
言葉によって感染した病は言葉によって免疫するしかない。
仮想現実のつるつるに包まれて僕はもがく。
シートにくくりつけられて巨大ジェットで空を飛ぶ。
深夜、それとも早朝、もっと間抜けな昼寝時、
言葉は樹液のように毛細血管の隅々まで浸透してくる。
僕は君のプレハブの真っ白な水洗便所に流された汚物に隠れて、
死へと向かう。
詩は死と同じように思いがけず僕を襲う。
シーッ、詩と死は意味の合間の沈黙によって包まれる。
僕らは生きのびるために生きている。
 御供 1999/12/29

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