2011/07/27

よそみ



意識から無意識へと歩む入り、
そこから多くのものを見て生まれ出されるもの。
それはよそみ。
私が意識的に知っているものへとたどりつく。
疑い深い違うものへと進みゆく時、
私はようやくたどりつく、
最初の段階の頭へと。
あくせくと洞察を重ねる。
鋭敏な鏡に幾十にも映し出されて、
身も凍るような狂気に迷い込む。
私はよそみをする。
その一瞬はおそろしく方向を変えてしまう。
世界から軽視され意識の深淵へと落ちて行く。
私はもう一度見る。
私は賢明にも連れ戻され、
認識の狭い割れ目をくぐり抜ける。
甘苦い老年の至福。
私はようやくたどりつく。
あの片目で見たものはいったい何だったのだろう。
そう一瞬のよそみ。
意識のない意識の中に私は入り込む。
進みゆく先を見つめ思い出す懐かしく過ぎ去った日々。
髪は白くなり、
髭も白くなり、
体力も衰えたが老年期にはじめて気づいたこともある。
よそみをしてよかったのかもしれない。
 御供 2011/7/18

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