2011/04/10

Nに捧げる



キミは日本最古のスケーター。
部屋のない王様だ。
無言、いやよくシャベル情熱だ。
まわりにはかまどがなく。
戦いではオノを持つ。
海を友として子供たちの人気者。
おばあちゃんの話し相手。
公園をフィールドにムチャなことばかりやっている。
早いヤツ。
今はただの鬼ピンじゃないカメラマン。
たまに芸術論を語ってはしゃぐ。
利口か馬鹿かわからない。
でも、はやてのように現われて、
はやてのように去って行く。
心優しき反逆者。
さむらいになることを夢見て、
アートという型のないものにうつつをぬかす。
めちゃくちゃな生活を規則正しくやってのけ。
夜にはめっぽう弱く。
朝の寝起きも悪い。
Nは飲み助なのに吸い助の振りをする。
でも俺にはわかる。
Nの弱さが優しさが。
毎日を旅のように動き続け。
スリーピング・バッグと枕を持ち歩く。
動物的な感をポケットに入れて、
他には何も入ってない。
子供のように無邪気でチーム渋カジのように茶パツ。
人生に立ち向かう勇気を持って前歯を失ったにもかかわらず、
今日もひとり言を言って手を動かしマスターベーションにふける。
まるで賢い猿のよう。
彼はいい加減な愛をふりまく。
御供 1999/3/1

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