2010/12/25

都会に住む


都会は物理的にも精神的にもかならず輪をなす。
それはゲームに似ている。
SEXは都会人のスポーツとなり、
死はいつも隣り合わせである。
街のはずれに車を走らせれば、
街のはずれの果てるところは取り残された悪徳と倦怠。
そして純粋で幼い娼婦の住む場所がある。
昼のビジネス街を取り巻くよごれた中にもある。
昼と夜の顔がある。
安ホテルの汚くぼろぼろのねぐら。
酒場、質屋、見せ物小屋、売春宿。
今にも崩れ落ちそうなアーケード。
終夜、映画館のひしめく通りに住む病んだ人々。
人生が逃げて、
その生活も終わり近くにいる人々。
それでもまだゲームだと思ってる。
セックスの後の恍惚が生まれるのとおなじように。
人生はいつかは終わる。
病んだ人々のゲームは死の想念をはらんでいる。
大衆浴場、酒場、安ホテルの傷ついた人々は汗を流し倒れふす。
その吐息の中に長髪の髪の毛をかきむしる。
力つきたとはいえ、
しなやかな肉体だけが生きるすべて。
脇を歩く人は振り向きもせず、
いそがしく家路に向かう。
男は人生で洞察することを望んでいたのに。
多くの奇妙な安泰に浸りきるんだ。
多くの人々がそれをむさぼる。
しかしその争いにやさしさを持った者は敗れ去られていく。
都市生活者である以上生きなければいけない。
そのためには社会となんらかのカタチで接し、
働かなければいけない。
私は社会を変えようなんて思っていないけど、
自分から変わることくらいはできると思っている。
御供 2000/8/8

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