2010/12/23

野蛮人


人間以下の野蛮人だ。
君が言う野蛮人は、
我々が足元にも及ばない文明人だ。
何故我々は苦しむ、
何故だ?
大都会の人間は絶えず苦しんでいる。
嫉妬、財産、金の悩み、野望、
種々の不満。
連中にだって苦しみはある。
だか、ひとときの悲しみと苦痛だ。
そこが違う。
我々は生まれて死ぬまでもがきつづけている。
彼らがなんなく見つけ出しているものを。
甘受の心、
穏やかさ、
信頼、
他人への敬意、
我々とは違う。
我々がとっくに忘れているものを彼らは持ち続けている。
汚れなき心を、
真の優れた芸術家のごとく。
南の島タヒチに芸術性を造ろうと思った。
ゴーギャンの夢。
あの時代に地の果て南の島で楽しんだゴーギャンは、
島の住民にとけ込んだ。
恵みの雨を感じたに違いない。
心の豊かな芸術家だけが持ち得る、
オープンな心とやさしさという黄金を持っていたのだろう。
御供 1998/7/28

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