2010/10/21

ドロップアウト


社会から少し離れたところで、
ゆうゆうと生きている人がいる。
その人たちは、
競争に勝ち抜いての出世ではない。
人の上に立つ喜びを約束してくれる地位でもない。
豊かな人生を保証してくれる資産でもない。
自意識を満たしてくれる名声でもない。
人知れば望み。
まんまと手にしたのは、
人に使われることのない自由という不良少年の心。
そして、友情。
決して退屈することのない日々。
波乱と贅沢を越えた快楽。
旅に限らず冒険といったプライベートな生き甲斐だ。
ドロップアウトした人たち。
社会からはドロップアウトしても、
人生にはドッロプアウトはしていない。
いやそれ以上に自由に自分の時間を持ち、
人生で一番大切な時間を手に入れた人たち。
そんな人はいつも元気だしいい顔をしている。
挫折したわけじゃない。
それ以上に素晴らしいのは、
若い世代が彼らのメッセージを受けていること。
より賢明に、
よりタフに、
ドロップアウトを上手くやっている人。
そんな彼らに共通していえることは、
学校や社会から少し離れていること。
だが、それぞれの生き方を旅先や街で見つけ、
その生き方がメッセージへと昇華し個人史を持っている。
彼らは誰も見向きもしなかったものに胸のときめきを覚え、
ちっぽけなものに夢中になってそれぞれの人生を手に入れた。
ドロップアウトとは現実からの逃避ではない。
ましてやドロップアウトは社会からの脱落ではない。
無限の可能性を秘めた冒険である。
自由を強く望むことにより、
個人のままで生きること。
その自由は個人の数だけ様々で、
何よりも日常の生活の中で満足を覚える。
いくら出世しようが、
成功しようが楽しくなかったら、
自分自身の人生からの脱落者である。
もしかしたらドロップアウトは、
自分の王国を持つことかもしれない。
御供 2000/9/4

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