2010/10/23

気まぐれ


街やら人やらを探検にふらつく。
私から言えることはとても面白いTVのように、
それらがいろいろなカタチとなって映ることだ。
ただ気まぐれに歩き続けるだけだけど、
いろいろなものが見えて来て驚きの中の発見をする。
私はただ気まぐれに探検をしている。
するどく早い感性で街という街の欲望に満ちた裏道を歩く。
あてもなくただ歩き続ける。
どこの街にだってかならずある欲望のひしめく街角。
薄汚れていて、
立ったまま動かない人たちがいる。
隙を見せれば何か悪いたくらみの中に引き込まれてしまいそうな目。
彼らもまた気まぐれに街行く人たちを見ているだけ。
じっとして無言で目だけが動いている。
寒くもないのに長袖のシャツを着て、
うつろな目で見ている。
その前を私もまた気まぐれに通り過ぎる。
あてもなくゆっくりと歩いてゆく。
どこの国のどこの街にもある風景。
人間の欲望のはきだめの裏道。
思考回路をなくした者たちのふきだまりの場所。
そんなところを歩いてどうする。
幾度となく歩いた臭いをかいでいる場所を探して、
またこの街でも気まぐれに何かを求めて歩き出している。
この臭いはいつか嗅いだことのあるあの臭い。
懐かしくもある臭いに引かれてこの国でも歩いている。
この臭いは人間の欲望の臭い。
どこへ行ってもそう変わるものじゃない。
人間がいるところどこにでもある臭い。
人間の奥から沸き上がって来る何ともいえない臭い。
気まぐれに嗅ごう。
御供 2001/11/3

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