2010/09/09

街を見る


宝石でできた眼を持って静かに永却に、
私たちは後世の同胞を眺めている。
恋も欲望も、
仄かに光るなめらかな輝きの中に知らずに過ぎ去る時を見る。
王者めいて、
星座の同胞みたいな者たちよ。
今もなお光は流れる。
輝きの中にあって、
神々の聖なるものが漂っている。
すべての周りには威厳がある。
私たちの美しさは息づき、
永遠性に満ちている。
ふと街を見る。
だが、私たちの若い兄弟たちは神を失ってよろめき、
迷いながら生きている。
情念のあらゆる泉。
燃えるすべてのあこがれに唱える魂は、
目標は死ではない。
私の信仰は無情で、
私の作る形象は少しの時の破壊力にも負けない。
魂との親和性の密かな印の中にある。
心の中に焼き付けられて待っている。
それゆえに私たちには予感があって、
太古の無言の前に立つと怖れなき愛の心を感じるのだ。
私はどんな存在者にもいとわしいとは思わない。
死さえも。
悲しみも死ぬことも驚かせはしない。
それは、私たちがいっそう深く愛することを知ったことだ。
私の心は海も森とも同じだ。
獣も石をも愛の名を受けて呼ぶのだ。
だからまた、様々な形象も微笑みながら消えて行く。
つかの間の瞬時に新しい歓喜、
新しい苦悩へと。
せっかちによみがえる。
御供 2000/8/18

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