旅をしないとたどりつけないカフェがある。
地図も電話もなく。
人づてに聞いて行かないとたどりつけないカフェがある。
満月の光に誘われた夢という旅のゆくえかもしれない。
誰かにささやかれているから、あるとわかるだけ。
裸足の心がなかったらたどりつけない。
旅人は数々のストーリーを持ち、
名前を忘れ、
過去を忘れ。
そして、たどりつく。
そこではじめて、神妙に満ちた言葉を発し、
旅人は詩人なる。
次の世代の誰かにこの旅のゆくえを語るために。
このカフェではあらゆるアルカロイドが持ち込み可能。
ないものねだりの心多き旅人たちは、
そこで物々交換をする。
自分の未来と過去を取引する。
不安定だけれども、
黄金の夢をポケットに入れてまたカフェを後にする。
放浪者たちのカフェはあらゆる未来にあふれていて、
人間の限界のぎりぎりの果てにある。
ある者はたどりつくこともなく。
ある者はたどりついたにせよ、
出口を見つけられない。
そんなカフェには驚くほどいろいろな覚醒があり、
現実と非現実のはざまをさまよう。
旅人の時間そのものだ。
だからこそ、通り越したなら現実の社会で実力を発揮し。
心の中すべてを吐き出して成功という富と名声を手に入れる。
放浪者たちのカフェを探しあてようと、
今日も若者が旅立つ。
決して地図を持たず。
果てのない旅の果て。
心は遠のいて夢の中に立っている。
ある者は一直線に進むことをする。
ある者は反対の道を行き,
いつまでも帰らぬ人となる。
人生はそんな旅の途上。
放浪者たちのカフェで一休みして,
エネルギーを蓄えて人生をまた歩く。
そして、完結という終着点で笑う。
人生はハッピー・エンドでなくちゃ。
私はカフェで誰かと出会い、
共に歩き出すことだろう。
御供 2000/12/8
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