2010/09/06

トム・ウェルツ


夢工場のあるハリウッドとは西海岸の都市LAにある。
明日の栄光を求めてひしめく通りに行き交う「現代の吟遊詩人」たちの群れのひとりでしかなかった。
その芸能人の中に混じって、
社会に根強い人種差別や核戦争の問題を取り上げ。
その愚かさをあざ笑った最初のコメディアンであろう。
そして溢れる言葉への愛。
「俺が一番得意な楽器。そりぁボキャブラリーさ」
「病んだコミックアウト」を、実行。
人々に対してご機嫌を採るようなことは一切せず。
過激な挑発。
検閲などものともせずに四文字「FUCK」を連発する。
その語りは芸人として命とりにもなりかねない危険を秘めていたが、
反体制的なその姿勢は人々を揺さぶるには充分だった。
自由で気ままな話しの虜になったのは不良ばかりのJAZZ好き。
「彼のおしゃべりの中の怒り、社会への迎合価値への挑戦的態度はまさにジャズメンのそれと言っていい。言葉を爆弾として自在にあたりにまきちらし、二度と同じ繰り返しなどしなかった。何物かに取り憑かれたようなマシンガン・トークはジャック・ケルァックからもらった精神を感じさせる。ラディカリズムの気ままなジョークの泡となって海を漂いはじめ。旅に出た。昔から俺は言葉に興味はあったけど、本気でミュージシャンになろうなんて考えたことは一度もなかった。こうなったのは偶然もいいとこさ。たまたま煙草を買ったら着いて来たマッチの裏に「学歴無く成功する方法」と、あったんだ。載っていた職のリストにテレビ修理士、洗濯屋、掃除夫、保険勧誘、銀行家などあらゆる職業がずらり、なんとなくミュージシャンという言葉に響きが気に入って応募したらこうなったわけさ。俺は学歴なく成功した。生ける見本ってわけだ。そんな道を歩いてみよう。
御供 1998/6/26

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