2010/08/31

メッセンジャーは


街を徘徊するメッセンジャー。
マンハッタンをぶらりぶらりと散歩していると、
いたるところで出会うメッセンジャー。
道を聞いたりするとやさしく教えてくれる、
メッセンジャー。
心を込めて丁寧に、
神の啓示のようにひびく声。
私をそっと導いてくれているかのよう。
彼らには余裕があるのかな?
とてもゆっくりと、
でも猛スピードでバイクを走らせる姿も見かけるのに。
時間、きっと時間の配分が違うんだ。
いつもあくせくと働く都会人と違って、
彼らには時間が逆さまわりする時計があるに違いない。
ゆったりとした時間の流れの中に身を置き、
自分だけの価値を自分の中に持ち続けているのだろう。
変わることなく、
自分の考えに基づき動く、人生。
美しい人生。
きっとそんなものの中に楽しんで自己流で生活しているのだろう。
同じここに住む人間なのに何故だろう。
他の都会人を見ていると目がちばしる。
金や社会というものに振り回されている人間が多すぎる。
この超文明のマンハッタンに住みながら、
時代の流れに流されているだけの人間。
どっちが幸せなんだろう。
少しのお金のために働くヤッピー。
自分のお金でもないのに必死でがんばるストック・マーケットの背広姿の能無しども。
社会の法というものを振り回す官僚ども。
もっとやさしさと思いやりを持って生きてほしい。
ここに来るまでのアメリカン航空の働き蜂の声は、
私にとってとても不愉快な悪魔の声のようにつきまとう。
そんなに偉くもないのにほざくなと言いたいくらい。
ただのつかいっぱと気づくべきさ。
文明の乗り物に乗っていたって、
多くの機械に操られているだけ。
マニュアル通りにやっているだけじゃないか。
原始的な乗り物、
自転車に乗って超スピードで走る。
メッセンジャーの無言の声を聞くがいい。
地球はもうそんなことじゃ長くは続かない。
資源をやたら使って、
どこが偉いというのだい。
もう少し、人間としての心で考えてほしい。
きみらのやっていることは、
今の社会では本当はやってはいけないことなんだよ。
もう少しでもいい。
正しい考えの中に動いていたら、
そんな悪魔の声は発しないはずさ。
私は見る。
すべての不条理の未解決な問題を。
どうすることもできないけれど、
人間の意識の上になりたっているこの世の中。
一瞬で「パン」という切り換えの時が、
やってくることを望んでやまない。
そう明るい未来を見ているのさ。
御供 2002/5/11

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