大都会の街は24時間ノンストップで動き続ける。
だから、朝が来たという感覚は目覚めた時と考える。
都市生活者の生活は、
昼と夜が逆になってしまったかのように思う。
特に真昼の太陽が照りつける季節。
あまりの日中の熱さに、
行動を起こせないでいる。
昼間眠り、
涼しくなった夕方から動き始める。
だから、朝が来るという感覚は夕方というわけだ。
クーラーの外室機の熱さと紫外線。
真夏の太陽の下では思うように動き回る事さえできない。
起きるのは自然と太陽が西に傾く夕方になる。
夕暮れがブルーから暗いブルーに移り変わる頃、
『朝が来る』
そして街へ出かけて友人と会う。
買い物をするという日常の生活をする。
ここ何年かの夏は猛暑が続き、
熱帯夜が毎日のように続く。
都市生活者の『朝が来る』という意識を変えている。
今ほど都市に人口が集中していなかった時代には、
こんな『朝が来る』ことを誰が考えただろう。
昼を寝て過ごし、
夜になると行動を始める。
社会には自由人たちが恐るべき早さで増えている。
これからの都市生活者は精神に不安を感じる。
自然の摂理に反しているのだから、
どこかバランスが崩れてしまうだろう。
肉体よりも精神に異常をきたし、
太陽の持つ明るさを見失う。
人工的な光の中に身をおいて、
暗闇をさまよい歩く。
人と出会っても挨拶ひとつかわすことさえ忘れている。
人間同士の触れ合いもなくなる。
コンピューターやコンビニエンス・ストアと仲良くする。
すべての時間を奪い取られる。
『朝が来る』という自然現象から遠ざかる。
自分のいる位置すら確認できないでいる。
一日の24時間のリズムを、
元に戻して生活しよう。
規則正しい、朝、昼、夜のリズムこそ、
精神の異常を治す特効薬に違いない。
御供 2000/7/26
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