私はなのも手にしたことがない。
勝利の快感も、
お金も、財産も、家も、
社会的な地位も、
はるかなる道を旅することも、
美しい女性からの求愛も。
どうしてなのか?
私のなしてきた仕事が雑誌のファッションだったこともあって、
時代とともに消え去っていった。
しなやかにこまやかに飾られることもない。
私の仕事がもてはやされた一瞬も確かにあった。
しかし、長くはつづかなかった。
はかなく、かすかな悲しみの中に消えた。
私の心は時代に揺り動かされて、
時代をつづけることはできなかった。
折において夢と夢の会い間に身をおいた。
生が私をかきたてはしなかった。
思うがままに、私は私の道を生きてきた。
人生はいつも明るい大通りを歩いていた。
ほがらかに誘い、
泣いて、私は夢を見つづける。
目覚める瞬間に訪れる夢のような、
現実とはかけ離れた夢。
すぐ後ろにあるような気がする。
私の生まれもった夢は何だったのか?
眠っている私の上を夢の影が走り過ぎた。
色を失った絵の具のようだ。
ふるさとを持たない風のように、
どうしてなのかわからない。
おごそかに私は私の夢と向きあったことがない。
風の中を舞い散る花のように、
私の夢は短い命で美しく咲かせたのか。
蒼ざめて、ゆるやかに、
夢の道を進んだことなどなかったのではないか。
私は高い柵にもたれて立ち尽くしいて、
実は歩いたことなどないのではないのか。
空の彼方に雲がゆき、
この道の彼方に風が渡る。
道の彼方にさすらうのは、
私の知らない迷い子。
私は願ったわけでもないのに、
さらなる旅へと憧れる。
幾度となく不安を抱いていた。
旅ゆく私をなぐさめてくれる風。
私は目的も道筋も知らぬ旅人。
遠い闇をあてどなく迷いながら歩く。
すると、見も知らぬ壮麗な出会いが私を待っている。
いかなる時もこのハプニングは私をとりこにする。
私は知らない。
今世界で何が起きているのか知らない。
何も起きていないのか?
世界に眼があり、
宇宙も見ている余裕はない。
なんと重い日々なんだろう。
どんな太陽も笑いかけてはくれない。
すべては空虚でなすすべもなく、
ひとりで立っている。
私は知ってしまったのだ愛は死ぬんだと。
燃えるように費やした日々に、
出来上がったのは幾つかの詩。
騒がしい世の中では誰もわかってくれない。
陽気な人が足取りも軽く通り過ぎる。
この詩の出来上がった術をひとりとして知らない。
この時間は無駄だったのか。
楽しい至福の時間であった。
目標だけを飛ぶように追い求める日は、
旅人の甘い味わいを知ることはない。
どうしてなのか?
御供 11/12/22
私は知ってしまったのだ愛は死ぬんだと。
燃えるように費やした日々に、
出来上がったのは幾つかの詩。
騒がしい世の中では誰もわかってくれない。
陽気な人が足取りも軽く通り過ぎる。
この詩の出来上がった術をひとりとして知らない。
この時間は無駄だったのか。
楽しい至福の時間であった。
目標だけを飛ぶように追い求める日は、
旅人の甘い味わいを知ることはない。
どうしてなのか?
御供 11/12/22
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