2010/06/28

シティでは


お盆の東京は静かで人間のいない森にいるようだ。
人間の森は全てを包みこむ。
街を歩いていると、
ひとりぼっちの地球の上にいるような気がする。
それに夏は暑くてべたべたしている。
空気はとてもメタリックだ。
田舎から観光で来た精霊でいっぱいなんだ。
都会の磁場は普通じゃない。
プラスティックや金属で満たされている。
何が起こっても不思議じゃない。
定義付けなどできない出来事が起こる。
マグネティックに引き寄せられる人間がいる。
人間が人間を呼び、
人間の精霊をともなうことを忘れてる。
たぶん何千年もの昔、
いろいろな星からやって来たエイリアンが精霊を持ち去って行ったに違いない。
人間の本質ってやつさ。
そいつはとても静かで、とても強い。
人間たちは都会という集団生活の中で、
助け合いというやさしさや思いやりという本質を忘れている。
心にもないことを言うなよ。
人間は人間に対して、
愛し、愛されたいものなんだ。
人間が作った本質。
本質が作った人間。
みな現実を呑み込めずあえいでいる、
この都会という人間の森で。
都会は魂を忘れた人間たちの集まりなのか。
命は人間へのパスポート。
ストレスにさいなまれ、
充たされることがどういうことなのか飢えている人々よ。
もう現実から逃げるのは終わりにしよう。
この都会で考える、
美しい惑星地球を守りたいなら助け合おう。
人間同士リスペクトして生きて行こう。
美味しい御馳走と楽しい時間と、
美味しい空気をたくさん吸って生きる。
人間同士がジェラシーを感じあうことなく生きる。
ちょっと角度を変えればいいことだと思うんだ。
都会はマスコミが殺してしまった。
そうは思わないかい。
心のない記事が、
巨大なカーニバルの余興のショウにしてしまったんだ。
それにミュージアムや博物館というものが、
人間の本質を変えてしまった。
お盆の東京にいると小さな入口からやって来る、
エイリアンと話ができるんだ。
ぶっ飛んでいろいろな問題について話せるよ。
とくに都会で生活しているのが嫌になっている人々よ、
役人に搾取されないようにしよう。
国が命を守ってくれるわけじゃない。
隣人や創造という勇気が守ってくれるのさ。
都会の物質社会というやつは、
クリェイティブをこの世の中から消そうとしているわけじゃない。
そのシステムを変える原動力を与えてくれているのさ。
飢えるアーティストの神話はもう終わった神話。
飢えるアートは金持ちの銀行家と金持ちのレディが、
投資するときに始まったのさ。
奴らの手中にアートを納めて起きたかっただけなのさ。
アーティストが金を持っちゃいけないなんて話しはない。
誰が言った。
ピカソを見ろよ。
飢えているアーティストは、
まわりの人が飢えているから飢えるんだ。
いいアーティストになるために飢える必要なんてない。
だからみんなでリッチになればいいのさ。
だが、愛、洞察、強い視点を持っていなくちゃだめだ。
いつもどんなときでも好奇心を持っていなくちゃね。
腐敗とも戦えなくちゃいけない。
妥協もしちゃいけない。
アーチィストってそういうものなんだ。
金があろうが無かろうが関係ない。
マティスを見ろ、
彼は銀行家だったんだぜ。
富と貧困を生み出すものは金以外にもあるということだよ。
今の世の中、正直者が馬鹿をみるというけど、
もう時代は変わって来ているのさ。
誰もいない大都会で四次元の扉を開けてやって来る、
エイリアンと話をすることは勇気のいることさ。
だいたいエイリアンと話したなんて誰が信じる。
つまり自分の意見を持つということさ。
みなアーティストって奴らは、
そうやってさも自分が考えたかのように意見して行動するのさ。
好きなようにね。
山の中もいいけど、
人のいない都会もいいものさ。
社会の間違ったシステムがはっきり見えてくる。
盆と正月の人のいないシティが私は大好きさ。
発見があるからね。
 御供  2004/8/28  11/12/21

0 件のコメント: