進行する

週末のある日、

大都会は雨でしっぽり濡れている。

人影も少なく、心なしか寂しい。

私のやる気だけは体内に広がり燃えつづけている。

私の生まれ育った日本は、

とても偽善的で信頼という言葉を失った都会の定番。

愛することを忘れた人間が、

大手を振って大通りを歩いてる。

愛を持った者は姿を見せず、

ビルの片隅に秘そんでいる。

ビルの上から見ればネオンは輝き、

とても美しく人工的に話しかけてくる街。

でも、助け合いや、

貧しかったあの昔の面影はどこにも残っていない。

やさしい声や思いやりの声は、

どこへ行ってしまったのか。

人間は時代の精神性を受けて成長し、

心の中を膨らませていく生き物だ。

社会の動向とともに人間の考え方も変わっていく。

物質社会の現代社会。

いい車に乗り、いい住処に住もうとする。

ローレックスとコンピューターを持つ者は時代を忘れる。

時間の流れも無視して生きつづている。

それでも私はそれを無視して進行する。

　　御供　　　　１４／８／１