2010/04/20

夜を流れる川



人間たちは多すぎて中に入る前に外で待っている。
照りつける太陽の下でも入れない。
夜に流れる川。
その川で働くたくさんの人々の沈黙。
こんな静かな場所はなじめてだ。
あんまり静かなので私は聞いた。
沈黙の向こうの声を、
はるか彼方の喜びの声だった。
流れが一時動きを止めた。
夜に流れる川の中に人々の欲望が見え隠れする。
その中を泳ぐことをしない。
それが普通の人生だ。
人生の真っ暗な流れに光を射したい。
そして人間は生きている。
止まるところをしらないこの流れの中で生きている。
夜の流れの川を渡って、
今日も明日に向かっている。
  御供 2001/4/17 14/4/14

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